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![](S/GinS_settei_545S.jpg) |
さらに振り上げた右腕を掴んで
そのまま引き摺り上げる
頭部を掴んだままマニピュレーターに力が篭る |
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![](S/AV_GinS_settei_C604S.jpg) |
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戦車のマニピュレーターにつかまれたチタン製の頭蓋骨がミシミシと音を立ててつぶされようとする。草薙は糸の切れた操り人形のようにぶら下げられるばかりで、全く為す術もない。徹底的に容赦の無いカット。まさにこの作品のリアリズムがここに集約されているといってもいいのではないだろうか。いくらサイボーグ化されているとはいえ、戦車に人間が勝てるはずがないという当たり前の現実をここで突きつけることにより、この作品はアニメーション的快感を自ら否定するとともに、その呪縛からも逃れているのである。 |
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![](S/GinS_settei_546S.jpg) |
二階の回廊から発砲するバトー
対戦車ライフルのバケモノ
戦車の装甲を貫通 |
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![](S/AV_GinS_settei_C607S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_547S.jpg) |
入れ込みで
−
常識外れのマズルフラッシュ
ロケットのように飛び出すケース |
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![](S/AV_GinS_settei_C610S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_548S.jpg) |
海上を征く6課のヘリの編隊
(密マルチ)
航空灯は点けていない |
声
エスコートからの通信が途絶えた。作戦を第二段階に変更して目標を全力で破壊する。 |
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![](S/AV_GinS_settei_C617S.jpg) |
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(参考本では「C581」となっている)
水没博物館に向かって海上を行く6課のヘリコプター。これもまた絵コンテとは大きく画面構成の異なるカットだ。絵コンテでは新市街も巨大ビル群を背景に横方向(斜め下?)から編隊を捉えていたのだが、レイアウトでは正面斜め上から広角レンズいっぱいに捉える移動感溢れるカットに変わっている。確かにこの方が現場に急行する緊迫感のようなものは出てくる。これもまた軍用機の映像などで(一部のマニアには)おなじみのショット。特に対象物となる地表が近いほど、スピード感の出てくるアングルだ。 |
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![](S/GinS_settei_549S.jpg) |
キャビンの
狙撃管制所
狙撃管制システムの
ディスプレイに
ザザ!と一斉にノイズ
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指揮官(無線)
狙撃犯、目標の優先順位を確認。第一目標コード2501。
(「犯」はほんとは「班」だと思う)
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![](S/AV_GinS_settei_C618S.jpg) |
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暗闇の中に浮き出る。光の拡散している感じにフィルターの効果がはっきりと現れている。 |
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![](S/GinS_settei_550S.jpg) |
狙撃ユニットのヘリ
キャビン内シルエット
(密マルチFOLLOW) |
声
ユニット01接続完了。
声
ユニット02、接続よし。
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![](S/AV_GinS_settei_C621S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_551S.jpg) |
ハッチから顔を上げて
バトーと有線した
戦車の操縦者の頭が見える
草薙の方を見て
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バトー
よォし・・・と。
(ここから無線)
聞こえるか?
気休めかも知れねぇが、こいつの電脳を経由してモニターしてやる。こんな場所じゃバックアップもできねぇしな。
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![](S/AV_GinS_settei_C623S.jpg) |
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素子が人形使いのゴーストにダイブするのをモニターするため、戦車兵の電脳を介して素子と自分を有線でつなぐバトー。一見当たり前のカットに見えるが、戦車の上には、ハッチや対人機関銃など細かい付属品がたくさんあるので、全体のパースをきちんと合わせるのは大変だったのではないだろうかと考えずにはいられない。もっともこの作品は全カットそうだが。 |
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![](S/GinS_settei_552S.jpg) |
並べられている
草薙と義体
目でバトーを見ている
表情は無し |
草薙(無線)
バトー。
バトー(無線)
何だ?
草薙(無線)
・・・ありがとう。
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![](S/AV_GinS_settei_C624S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_553S.jpg) |
草薙
目線を天井へ上げる
目パチなし
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草薙(無線)
始めるわ。
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![](S/AV_GinS_settei_C626S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_554S.jpg) |
人形のようになっている草薙
その義体の頭が
「聞こえる・・・」で動く
人形使い(草薙)
首を回して草薙(人形使い)
を見る
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草薙(無線)
視界に侵入。
サケード正常。
・・・聞こえるバトー。
草薙
何のために?
人形使い
あることを理解して貰った上で君に頼みたいことがある。
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![](S/AV_GinS_settei_C628S.jpg)
![](S/AV_GinS_settei_C634S.jpg)
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![](S/GinS_settei_555S.jpg) |
草薙(人形使い)UP
いつもの草薙とは違う
柔和な表情 |
人形使い
私はあらゆるネットを巡り、「自分の存在」を知った。
入力者はそれをバグとみなし、分離させるため私をネットからボディに移した・・・。
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![](S/AV_GinS_settei_C631S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_556S.jpg) |
バトーの前で
二つの義体の会話
草薙の義体(人形使い)
のみ口パク
以前と同じセリフを
繰り返す
ギョっ!とするバトー
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人形使い
このボディに入ったのは6課の攻性防壁に逆らえなかったからだが、9課に留まろうとしたのは自分の意思だ。
バトー
オイ!一体何を話してるんだ。モニターできねぇぞ!
草薙
融合?
人形使い
完璧な統一だ。君も私も総体は多少変化するだろうが失うものは何もない。
融合後に互いを認識することは不可能な筈だ。
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![](S/AV_GinS_settei_C633S.jpg)
![](S/AV_GinS_settei_C638S.jpg)
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![](S/GinS_settei_558S.jpg) |
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![](S/AV_GinS_settei_C644S.jpg) |
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上空でホバリングしているヘリコプターから見た博物館。カメラは左斜め上方にふられ、それに伴ってヘリコプターが相対的に逆の方向に移動して見える。このあたりは密着マルチの効果が生きてくるところ。浮遊感、距離感などをゴンドラ・マルチを使わずに表現するには、移動度の差がそのまま距離の差として認識される密度マルチが有効である。ただし対象物のパースは変化しないので、あまり長い時間引くことはできない。 |
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![](S/GinS_settei_559S.jpg) |
狙撃ヘリのキャビン |
射手A(無線)
ユニット01。
目標をポイントした。 |
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![](S/AV_GinS_settei_C646S.jpg) |
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ヘリコプターの上から素子と人形使いに狙いを定める狙撃手。狭い機内にいる狙撃手は広角レンズで捉えられているようだが、博物館の方は随分と迫って見える。先のカットと併せて、このヘリコプターがかなりの低高度で飛行しているためであろうか。またたとえそうでなくても、狙撃手の心理の反映として、博物館の存在感を強調しているのかもしれない。あくまで正確なレイアウトも手段であり、それに縛られる必要はないのだから。 |
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![](S/GinS_settei_560S.jpg) |
長焦点レンズ風に
(マルチフォーカス下段)
BGボケ |
草薙
最後にひとつだけ。
私を選んだ理由は? |
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![](S/AV_GinS_settei_C655S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_561S.jpg) |
同上
(間)
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人形使い
私たちは似たもの同士だ。まるで鏡を挟んで向かい合う実体と虚像のように・・・。 |
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![](S/AV_GinS_settei_C656S.jpg) |
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C-655/C-656については、説明するまでもなくこの二つのカットは対になっている。絵コンテにもこのカットは“長焦点風”にとあるが、ズーム・アップ特有の圧縮された遠近感の効果を狙ってのことだろう。遠近感が圧縮されると、このカットのように、画面の中の対象物のどちらかが強調されるということがなくなり、両者が対等な関係に置かれる。また被写界深度が浅くなるので、背景がボケ、手前の人物が浮き出る感じになる。まさに今はこの二人の関係に全てが集中しているといったところだ。 |
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![](S/GinS_settei_562S.jpg) |
天窓を見上げる
草薙の義体 |
人形使い
見たまえ。
私には私を含む膨大なネットが接合されている。アクセスしていない君にはただ光として知覚されているだけかもしれないが。 |
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![](S/AV_GinS_settei_C657S.jpg) |
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一瞬、天窓を見上げる素子の“義体”。ここで押井監督はあえて絵コンテに“義体”という言葉を入れている。これはすでに素子の精神、あるいはゴーストが本質的にはその体から遊離して、独自の道を歩み出したからなのかもしれない。人形のようだった表情が、この次のカットからは生き生きとした生気を宿し、目は輝きを見せるようになるのである。では、なぜそれまでは表情を表さなかったのか。やはり人が感情を持つには、恐れが必要なのだろうか。もしそうなら、素子の顔に浮かんだ表情は、死を得た人形使いのものなのかもしれない。 |
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![](S/GinS_settei_563S.jpg)
![](S/GinS_settei_564S.jpg) |
天窓から降る光(電子)
水面のように揺れる天窓
[CG + V処理]
草薙の主観
天使の足が一瞬見える
[CG + V処理]
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人形使い
我々をその一部に含む我々全ての集合−
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![](S/AV_GinS_settei_C658S.jpg)
![](S/AV_GinS_settei_C663S.jpg)
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![](S/GinS_settei_565S.jpg)
![](S/GinS_settei_566S.jpg) |
二方向からの
目に見えない矢に貫かれて
砕け散る人形使いの義体頭部
中ナシで詰め動画
血液なし
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![](S/AV_GinS_settei_C664_01S.jpg)
![](S/AV_GinS_settei_C664_02S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_567S.jpg) |
バキー!と砕かれるバトーの腕と共に
草薙の頭部が消し飛ぶ
(中ナシ)
ジャンパーの下で義体が撥ね上がる |
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![](S/AV_GinS_settei_C665_01S.jpg)
![](S/AV_GinS_settei_C665_02S.jpg) |
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(C-664/665/666とあるが「666」はLDにはなかった)
狙撃手の銃弾に義体の頭部を吹き飛ばされる人形使いと、素子をかばって左腕を破壊されるバトー。事件の終幕を告げるアクションでありながら、やはり割り切れないものを残すのは、これが決して解決ではないからなのかもしれない。とりあえず証拠の隠滅には成功した6課のヘリコプター。事件は結局、“高度政治的取り引き”によって闇から闇に葬られることになるのだろう。しかしそれはネットの中には生き続ける。情報という形で。 |
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![](S/GinS_settei_568S.jpg) |
緊張を解く狙撃手たち |
指揮官(無線)
所期の目的は果たした。
全機離脱する! |
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![](S/AV_GinS_settei_C668S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_569S.jpg) |
水に落ちている
草薙の頭部
目が見開かれ
微笑んでいる
バトーの走りよる気配
その叫び声が反響する
ワイドレンズ
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バトー(OFF)
素子ォー!
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![](S/AV_GinS_settei_C670S.jpg) |
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![](S/GinS_settei_572S.jpg) |
ソファに深く腰掛けている
人形のような少女(草薙)
体を起こし
ゆっくりと自分の手を見る
カチリとドアの音
声の方を見る
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バトー(OFF)
起きたか。
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![](S/AV_GinS_settei_C673S.jpg) |
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