攻殻機動隊のこだわり部分

 

 

 攻殻機動隊はストーリーもおもしろいですが、描かれていることが非常にリアルであるというのも魅力ではないでしょうか。近未来ということで、現代の科学の延長として考えても、「あり得るかも」というような世界になっています。
 また登場する銃器などについても、現在使用されている物が出てきて、その使用方法についてもプロの技が出てきます。
 このページではリアリティーを追求している、攻殻機動隊ならではのものを載せていきたいと思っています。

 

 

オートマチック・ピストルでの射撃
バトー私物の自動車
強壮弾のカタメ打ち
義体用(義眼)レンズ
マズルフラッシュ各種  2008/2/11アップ

 

オートマチック・ピストルでの射撃




親指の位置

通常は拳銃を両手で構えるときは、指の位置は「両手ともグリップを握る」ように構えると思います。男の子はそのように銃を握って遊びましたよね。
ところが、ハワイで初めて実弾射撃(2006年)を行ったとき、インストラクターに教わったことが、銃を握るときに添える方の手の指は、親指も含めて5本とも前に出す、ということでした。
これはなぜかというと、片言の日本語であるためはっきり分からず(言っていなかったかもしれない)、後で推測するとオートマチック・ピストルの動作上、撃った後の排莢は上のスライダーが撃った反動で後ろに下がり(ブローバック)、その時スライダーのフックが薬莢のテールを引っかけて引っ張り出し排出するというものです。
そのため親指を2本ともグリップの後ろに回すと、上になった方の親指の関節を曲がり出っ張ってしまい、スライダーがブローバックする時に当たる危険があるからではないかと思います。

右の画像の少佐は、まさにその握り方をしているのが分かります。

なおリボルバーに関しては、添える手もグリップを握りました。
ただしハンマー(撃鉄)を起こす時には、トリガー(引き金)を引く方の指ではなく、添えた方の指です。これも推測すると、トリガーが思った以上に軽いため、ハンマーを起こすことに神経が行き、誤射しないように配慮しているのかもしれません。ベテランでも、もしかしたら同じかもしれません。なぜならトリガーを引く方の手が、撃った時の反動を主に押さえているため、まずグリップを握り、添える方の手はそれを包むように上から握ります。そのため親指の上に親指がかぶさるようになるため、後から添えた方の手の親指で、ハンマーを起こすのが合理的であると思われるからです。

 

構えは両手で

拳銃の構え方に関しては、ほとんどが両手で構えているということです。全身義体でパワーがある(特にバトーは)のに、片手で構えずに両手です。
私も特に初心だからでしょうが、両手で構えるように言われました。しかしアメリカ警察の逮捕場面をTVで見るような時も、警官が両手で銃を構えています。毎日訓練する警察官ですら、両手打ちをしています。
片手撃ちは、映画やアニメの中だけかもしれませんね。

バトー私物の自動車

 


アリタリア・ストラトス

この車はランチア・ストラトス(Lancia Stratos)といい、1970年のトリノ・ショーに初めて展示されました。確か当時は、ランチア・ストラトスHFと言っていました。
ベルトーネがデザインをし、極端なウエッジシェイプ(くさび形)のプロトタイプが、「ストラトス」です。翌年のトリノ・ショーでかなり現実的なスタイルとなり、72年のトリノ・ショーにはほぼ市販モデルに近い姿で登場しました。イタリア語で「成層圏」を意味する「Stratosfera」からの造語であるストラトスは、あたかも成層圏から飛来してきたような宇宙船的なスタイルで、人々の注目を集めました。

この車は元々ラリーを制覇するために作り出されました。
そしてイタリアの航空会社アリタリアがスポンサーとなり、サファリラリーにアリタリア・ストラトスとして出場すると、それまで常勝していた三菱ランサーが苦戦するほど、その性能は高かった。ただし後述するように排気量は、ストラトスが2400ccDOHC、ランサーが1600ccのSOHCため、パワーの差は歴然としており、晴れるとストラトス、雨が降るとランサー、と言われていました。
特筆すべきは運転席から前輪のスタビライザーを調整することが出来るよう設計されていたことである。そのため、路面状況が変わるラリーにおいて、その路面に合わせて運動特性を変えられたので有利だったのです。
このアリタリア・ストラトスは、登場して何年か後に日本に来ており、深夜に東京の等々力において抽選で当選した幸運な人を助手席に何人か載せる、という試乗会を行っています(ラジオの深夜番組の中で)。

エンジンはイタリアのフェラーリ製。ディーノ246GTという車の、2400cc直列6気筒DOHCエンジンを積んでいます。


強壮弾のカタメ打ち

「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」において、ウイルスを分割して清掃員に送らせていた、テロリストのサン・ゲンパ(通称 コーギー)が、9課が追ってきた時に反撃のために使用した武器がUZI(ウジー)である。SMGとしては、非常に有名な物である。
このSMGで強壮弾を撃つ時に、コーギーは足場をカタメ、腰を落として反動に備えて射撃をしたが、それでも撃つたびに後ろに滑っていた。それだけ、この強壮弾は威力があるのを、細かく描いているのです。

 

強壮弾によるトラブル

1984年にBERETA M92Fは米軍のトライアルテストに合格し、正式拳銃M9として採用されるが、同じくトライアル対象であったSIG P226の落選を不服としたSIG社は再度テストのやり直しを国防省に求めた。同じくして特殊部隊で使用される9mm強壮弾がM9のスライドを破損させる事故を起こし、M9の耐久性を疑問視する声が高まった。
これを受けてBERETTA社はスライドの飛散防止対策を施したM92F-Sで対応をはかった。後にSIG P226においても
強壮弾でのスライド破損が起こることが発覚し、再トライアルの結果もM9に軍配が上がる。しかし、未だ不服感を払拭出来ないSIG社に対しては国防省準装備拳銃としてSIG P229をM10として採用し、一応の決着をつけた形となった。

http://homepage.mac.com/digigun/gallary/M92cqb.html より)

「強壮弾」の説明

強壮弾は強装弾とも書き、ホットロードとも言うそうです。
どんなものかというと、火薬の量を増量している弾のことで、オーバーロードとも呼びます。
ホットロードは火薬量が多いので、威力は上がりますがその分反動も強く、銃が破損したりと銃の寿命を縮めることになります。
マグナム弾も火薬の多い弾ですが、こちらは火薬の量を増やすために薬莢自体を大きく(長く 倍ぐらい有ったかな? 「管理人」)したものです。
つまり、ホットロードとは
規格違反の火薬増量弾のことです。

http://www.interq.or.jp/sagitarius/ootarag/file/Hotload.htm より)


ちなみに、絵コンテでは「高速徹甲弾のカタメ撃ち」となっていますが、劇中では「強壮弾」と言っていますね。

 

UZI

 

これだと、余りよく分からないかな?。
勘弁してください。
知りたい方は、DVDをご覧ください。はっきり分かりますよ。

義体用(義眼)レンズ

日本のカメラは優秀で、外国の報道カメラマンなども日本製のカメラを使用しています。そしてレンズの機械検査による各種性能も、日本製レンズは優秀です。
しかし写真にした時の芸術性や表現力となると、ドイツのライカにはかないません。ピントの合い具合と、それ以外のボケの部分の表現は、ライカレンズで撮影した写真を見ると、日本のカメラは使う気にならなくなる程です。実際自分もカメラが好きで5台所有(実際使うのは4台)し、交換レンズはミノルタカメラ用が中古で安く購入できたので、多数所有しています。そして写真をだいぶ撮りましたが、なかなか思ったできばえのものがありませんでした。
しかしライカのM5を入手し撮影すると、ピントを合わせたところはカリカリに、それ以外の部分はきれいにぼけた写りをしていました。ピントのあった部分をきわだたせ、写したい部分は何なのかをはっきり表現します。やっと思った写真が撮れるようになったと思いましたが、これは自分の腕が上がった訳ではなく、ライカレンズの表現能力によるものであるのは明白です。

ところで「ライカ」は外国のカメラメーカー名であることを知っている方は、結構いらっしゃると思います。非常に有名ですから・・・。
攻殻機動隊S.A.C.で出てきた、右の画像の義体用レンズは実は「カールツァイス」製です。
カールツァイスを知っている方は、ライカより少ないのではないかと思います。このCarl Zeissもライカ同様、ドイツのカメラメーカーでレンズも作っています。
しかし値段はと言うと、ライカよりリーズナブルなものとなっています。
つまりよほどのお金持ちならいざ知らず、普通、汎用義体なら義眼レンズも国産を使うでしょう。ただし外務大臣(この画像の人)ともなれば、多少のこだわりがあってドイツでも有名(ライカと並ぶメーカー)なカールツァイス製のレンズを使っているのでしょう。
最高のレンズメーカーのライカを使わず、多少知名度は落ちるがリーズナブルな価格のカールツァイスを使うところが、攻殻機動隊のにくいところです。
「こだわっているな」と感じました。

そしてこだわっている部分は他にもあります。
カメラレンズと同じように、レンズの周囲にレンズ性能を描き込んでいる部分。そして、その内容です。
「Carl Zeiss F1.0〜3.2 f*14〜80mm」と描かれています。
最初の「F1.0〜3.2」は、レンズの明るさです。通常50mm(標準レンズ)だと、開放でF1.4位。F1.2〜1.8の間が普通です。F1.2となると明るいレンズで、そのメーカーの最高ランクになります。また前玉(一番先のレンズ)は、他のランクのレンズに比べ、口径が非常に大きくなります。
今回の設定である、「F1.0で人間の眼球レンズと同じ大きさ」というのは、現在では超高性能です。通常使用するレンズとして考えると、この性能は攻殻世界で実現可能なのではないでしょうか。

次の「14〜80mm」は焦点距離で、14mmは魚眼クラス、80mmポートレート用の望遠レンズとなります(スチールカメラ用で考えると)。
そしてこの表現からすると、ズームレンズと言うことです。
ちなみに自分が所有する、デジタルカメラ(1眼レフ)のレンズは17〜70mmです。スチールカメラ用で換算すると、約1.5倍の28〜105mmもしくは135mmと言うところでしょうか。
14〜80mmというのは、現在でもお金を出せば実現可能な焦点距離だと思いますが、これもやはり、通常使用のレンズ性能としては、攻殻世界で実現されるのではないでしょうか。
もう一つ。「80mm」と言う数字です。実はポートレート用のスチールカメラレンズでは、「90mm」が理想の焦点距離なのですが、これはライカが特許を持っている為に他のレンズメーカーが作れない焦点距離なのです。
その「90mm」を使わず「80mm」としたところも、攻殻機動隊のこだわりだと思います。

 Carl Zeiss
 F1.0〜3.2
 f*14〜80mm
 MADE IN GERMANY

と描かれている

 

 

マズルフラッシュ各種

設定画

CZN-M22(クルスベ・ツァスタバ・ノスレ・モデル22)


           
       右側のマズル・フラッ
       シュの方が大きい。
コンペンセイターを取り付けていて、上にV字型に排出口が開けられています。その内の右側の孔の方が大きく、排出量が多いように設計されています。これにより、その反動が左下に向くようになっております。

ジェリコ942FS

ジェリコ942FSは、.50(0.5インチ、約12.7mm)弾を用いる大型オートマチック・ハンドガン。
.50という口径は米軍の重機関銃ブローニングM2と同じ大きさです。このM2は主力重機関銃として、航空機銃、車載機銃などに使用されたベストセラーです。
もちろん機関銃弾と拳銃弾では「装薬量」が全然違いますが、重機関銃と同じ口径と言うだけでも、この銃がいかに強力でありストッピングパワーに優れていることが分かると思います。
マズルフラッシュは、特にコンペンセイターを取り付けていないので、銃口から放射状に排出されている。

UZI-SMG(中国製)

強壮弾(強装弾とも書く : 設定では「高速徹甲弾」となっている)を撃っているので、特に派手なマズルフラッシュになっています。
コンペンセイターを使用しており、この銃の場合は上部に2本切り欠きがあります。
これでマズル・ブラストの反動を抑えており右斜めの切り欠きのため、上部にある目視サイトはまあ使えるでしょう。もっともこのSMGの大きさと利用の仕方から考えて、目視サイトを使う時があるか考えにくいので、特にこれでも不都合はないと思われます。

SPIM2020 ミニ14“ペネトレイター”


対戦車銃は極端に反動が大きいので、銃口のスタビライザーもコンペンセイターというよりはマズルブレーキ的な働きが大きくなっています。
マズルフラッシュがX字型に排出されるようになっているため、銃左側の目視照準装置を使っている射手の視界を、発射後も妨げないようになっています。

ミニミMG

5.56mm軽機関銃。長さ104cm。
アメリカ軍の歩兵分隊が使用する実銃。2004年初春からイラクに派兵された陸上自衛隊でもSAW(スクォード・オートマチック・ウエポン=分隊用自動火器)として採用。運搬用の携行ハンドルや折りたたみ式の二脚が付いているのが、実戦を感じさせる。

はっきり分かる、V字フラッシュ。


ブッシュマスターベースカスタム223NATO

ブッシュマスターをベースにしたサブマシンガン。バトーのミニミと同じく、226(5.56mm×45)NATO弾を使用。

この様にマズルフラッシュ1つをとっても、銃器マニアの押井監督はこだわりを持って、使い分けて描いております。

 

 

 


 

 

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