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作品概要

西暦2032年

 

 「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」(こうかくきどうたい スタンドアローンコンプレックス セカンドギグ)は、一作目の「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の続編となるSF・TVアニメ。笑い男事件に端を発し、与党幹事長 薬島という大物議員の更迭と特殊部隊規制法の適用との引き替えに、解散した公安9課が再始動したところから、この物語は始まる。
 スタッフは一作目の「STAND ALONE COMPLEX」とほぼ同じ。しかし、ストーリーコンセプトに押井守が参加している。「個別の11人」と名乗るテロリストの「中国大使館人質事件」を発端に、「核」、「招慰難民」、「米帝」、9課と敵対する「内閣情報庁」などが複雑に絡み合い、ストーリーが展開していく。一作目より、事件は大型化している。
 本作品は一作目の「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」と同じく、2クール分全26話で構成されている。
そして大別すると、その中身も2重構造となっており、1話完結(dividual episodes)の作品と複数話の作品である「個別の11人事件」の話が融合して、この2nd GIGはかたち作られている。
 ちなみに、ご覧の作品が「dividual episodes」か、「個別の11人事件」の話に含まれるものかは、各話のサブタイトル画面の背景色で判別できる。
しかし、「個別の11人事件」はさらに2つに色分けされている。
 クゼ(individual episodes)とゴーダ(dual episodes)で分けられており、それぞれのイメージカラーとなっている。
 以上より「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」は、一作目の「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」より1種類多い、3種に分けることが出来る。

 

 

一話完結「dividual episodes」は 「灰」

こう言うプロローグタイトル

 

個別の11人関連は

 

クゼ「individual episodes」は「白」

こう言うプロローグタイトル

 

ゴーダ「dual episodes」は「黒」

こう言うプロローグタイトル

 

という具合である。

 

 

 

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キャスト

公安9課(通称:攻殻機動隊)メンバー

 

キャスト

声優

紹介

草薙素子

田中敦子 公安9課の実戦部隊としてのリーダー。脳と脊髄の一部を除いたほぼすべてを義体化した完全サイボーグで、幼い頃に余儀なく義体化されたため、現在は世界でも屈指の義体使い。判断力、作戦指揮、義体戦に突出した才能を発揮するが、凄腕のハッカーでもあり電脳戦においても実力ナンバーワンである。軍歴は不明だが第四次非核大戦時の名残で、課員からは少佐と呼ばれている。数ヶ所あるセーフハウスに、デコット(遠隔操作式の予備義体、デコイロボット)を複数所持している。身長168cm。

草薙素子(クサナギモトコ)

荒巻大輔; 阪脩 公安9課の課長。元陸自情報部に所属し、現在も自衛軍との繋がりを持っている。揺るぎない指導力で、9課を引っ張る。また優れた政治的手腕により、扱いが難しい政治絡みの犯罪に対し根回しを行い、課員の行動を側面から支援する。草薙ら部下から、絶大な信頼を寄せられている。自分が信じる正義を貫く、熱血漢である。9課では珍しく電脳化さえもしていない、生身の身体である。戦時中に行方不明となった、洋輔という名の兄がいる。身長153cm。;

荒巻大輔(アラマキダイスケ)

バトー 大塚明夫 草薙に次ぐ、9課の副隊長とも言うべき存在。草薙同様に肉体の大部分を義体化しており、実力も草薙に次いでいる。。両眼はレンズが剥き出しの義眼で、これは以前レンジャーに所属していたためである。第四次非核大戦で軍属の頃、草薙の部隊に配属され、草薙とイシカワに会ったのはこれが最初である。意外なことに機械に対して並々ならぬ愛情があり、搭乗するタチコマも一機に限定しており、「バトー専用機」などといわれている。愛車は、ベルトーネがデザインし1972年以降に販売された、イタリアの名車ランチア・ストラトス(黄色)。また愛用する銃はFNハイパワーM7カスタム(9課で高速徹甲弾を撃てるように銃全体の剛性をあげたもの。ちなみに9課の制式拳銃はセブロM5)。義体の性能向上にはつながらないのに、筋トレが趣味。色々こだわりを持っている。身長187cm。

バトー

トグサ 山寺宏一 草薙が警視庁捜査一課から引き抜いた元刑事で新米隊員。電脳化以外の義体化はしていない、ほぼ生身という9課では異色の存在。しかも唯一の妻子持ち。この異色さこそ、草薙がトグサを9課へ引き抜いた理由でもある。また推察力についても高く評価しており、「笑い男事件」解決の糸口を見つけたのもトグサである。しかし非正規活動部隊である9課の存在を、家族にさえ知られてはならないため、民間警備会社に再就職した事にしている。マテバ社製オートリボルバーを愛用している。「おれはマテバが好きなの」が決まり文句。気心の知れたバトーと組んで行動することが多い。身長178.5cm。

トグサ

イシカワ 仲野裕 ネットを駆使した情報収集が得意な、電脳戦のスペシャリストである。電警の目をくぐり抜けたり、CIAの記録も覗ける程の腕前。迅速な事件の解決は、イシカワの功績が大きい。いい体格をしているが、非常時以外は戦闘に参加しない。草薙との付き合いは9課メンバー中最も長く、軍属の時から同じ部隊に所属する。彼女を「戦闘の天才」と評価する一方、「メスゴリラ」とあだ名を付けたのが彼である。身長180cm。

イシカワ

サイトー 大川透 狙撃手(スナイパー)として作戦に参加する。第四次非核大戦時は傭兵として活動、その時草薙が護衛する部隊に遭遇し、草薙と対戦し負けるが狙撃の腕を買われ、それ以来部下として行動している。義体化は、狙撃に必要な左眼と左腕のみで、トグサに次ぐ低い義体化率である。左眼は「タカの眼」と呼ばれる義眼となっており、人工衛星とリンクし精密な視界を作り出す。また狙撃のための様々な情報を得ることができる。その狙撃能力は、SWAT隊員とも比較にならない。しかしそれはサイトー自身の能力の高さもあり、目視での狙撃も抜群の命中精度を誇る。身長172cm。

サイトー

ボーマ 山口太郎 バトーと同じく両眼が義眼で、スキンヘッドの大男。義体化率は不明。しかし戦時中は、爆弾を仕掛けることに従事していたことから、身体の大部分を義体化していると予想される。ちなみに9課では爆弾処理を担当している。またこの外見からは想像が出来ないが、電脳戦が得意で、イシカワと共にネットでの情報収集やウイルスの解析などを行う。ダイブルームの外では、パズと組む事が多い。サイトーの狙撃準備も行う。それこそ、縁の下の力持ちである。バトーをしのぐ大男で、身長200cm。

ボーマ

パズ 小野塚

貴志

無口でクールな愛煙家。情報収集や内偵調査などバックアップが主な任務で、ネットでの情報収集も行なう。だが腕っ節は強く、屈強なSPを殴り倒したこともある。行動はボーマと行うことが多い。鋭い目つきとチンピラ風の格好ではあるが、課内では礼儀をわきまえている。だがかなりの女好き(「俺は同じ女とは2度寝ない主義だ」が決まり文句)で、少佐が9課にスカウトした時も、少佐に対してこの文句を言ったそうである。無口で礼儀正しいのは、そのためか・・・。身長177cm。

パズ

アズマ 尾形雅宏 9課の新入隊員。DVD第6巻 11話「草迷宮」で、新人研修の中で少佐を尾行する訓練を受けていたが、見事まかれた。現在現場に出ているが、何とか今でも生き残っている。

アズマ

プロト 杉山大 9課の新入隊員。機械式のアンドロイドではなく、バイオ技術で作られた次世代型「バイオロイド」。そのプロトタイプなのでプロトと呼ばれている。

プロト

タチコマ 玉川

紗己子

2ndバージョン。1stシリーズから、マイナーバージョンアップしている。

少佐やバトーを助けるため、自分たちのAIが乗っている衛星を、核ミサイルにぶつけて消滅したため、最終話では「ウチコマ」として登場する。

タチコマ

ウチコマ

 

その他

 

 

キャスト

声優

紹介

九世英雄

小山力也 元自衛軍の軍人でPKF仕様の高度な完全義体(皮膚の自己再生能力も有する)を持つ(耐用年数は過ぎでしまっているが)。

合田の作った個別の11人ウイルスに感染したが、自害した他の個別の11人とは違い、自害せずに生き延びた。その理由を「動機の違い」と自身が説明している。そして人を上部構造に導くため、ハブ電脳を介しておよそ300万人の難民の指導者となる(劇中では片仮名表記だが『救世 英雄』とする説が有力)。身長178cm。

クゼヒデオ

合田一人 西田健 内閣情報庁に所属するエージェントの一人で、役職は内閣情報庁戦略影響調査会議代表補佐官。戦前は民間企業であるポセイドン・インダストリー(元の大日本技研)に所属していた。その当時に世界初の放射能粉塵除去技術(日本の奇跡)に関わっていた。顔の半分に大きな傷跡が残っているが、これのおかげで初対面の人に名前とともに1度で覚えてもらえる、といっている。

ゴウダカズンド

ゴウダカズンド

茅葺

よう子

榊原良子 日本で初めての女性首相。保守派で戦後初めて難民政策の転換を企図する。保守派とはいっても米帝1国寄りではなく、各国と同じ距離を保つ、独立国家としての日本を模索しており、国連強調を目指している。9課再建を認可した。

カヤブキヨウコ

高倉官房

長官

武藤

与志則

茅葺内閣で官房長官を務める。バリバリの親米派。米帝との安保締結を画策している。ゴーダの上司にあたる。

タカクラカンボウチョウカン

久保田 鈴木泰明 1stシリーズから登場。荒巻課長の古くからの友人。

クボタ

 

 

高倉官房長官とゴーダの関係

 表向き高倉官房長官は、ゴーダの上司と言うことになっています。
 しかし、同じ場面で一緒に現れたことはなく、また荒巻が茅葺総理らと高倉を逮捕しに行き、荒巻がゴーダの名前を出したとき、「えっ」(右画像→)と言うような顔をしていました。
 「ゴーダって誰だ」という感じです。
 そしてゴーダの方でも、「高倉官房長官とは、STAND ALONEな関係」と自身で言っています。
 つまりゴーダの肩書きにある、「内閣情報庁戦略影響調査会議」と言う部署は高倉の管轄部署かもしれないが、ゴーダは勝手にそこの「代表補佐官」を名乗っている可能性があります。
 それどころか、内閣情報庁にあたかも出入りしているかのように見えますが、それさえ疑われます。本当に出入りしていたとしても、それが正式なものではないかもしれません。チームゴーダの「黒崎兄弟」は特A級のハッカーで、同じく凄腕ハッカーであり少佐が情報を仕入れに行く、「クロルデン」の脳を焼き切るほどです。


 この2人が、不正アクセスしてゴーダを内閣情報庁戦略影響調査会議代表補佐官に仕立てている可能性が大ですし、もし出入りしていないのならば、我々の目を盗んでいたとも言えます(そんな必要があるかなー?)。
 こんかいの難民排斥から出島封鎖への事件は、安保を前倒しで締結したい高倉と、自分を大きく見せたいゴーダ、両者の思惑とその実現方法が一致した形で、相乗効果を生みながら進んでいったのでしょう。
相対の連鎖、オリジナルと模倣者、と言えるのでしょう。

 

スタッフ

原作、協力 : 士郎正宗

 

企画 : 石川光久、渡辺繁

 

監督、シリーズ構成 : 神山健治

 

ストーリーコンセプト : 押井守

 

キャラクターデザイン : 後藤隆幸、西尾鉄也

 

オリジナルキャラクターデザイン : 下村一

 

メカニカルデザイン : 寺岡賢司、常木志伸

 

美術監督 : 竹田悠介

 

美術設定 : 加藤浩

 

色彩設定 : 片山由美子

 

特殊効果 : 村上正博

 

編集 : 植松淳一

 

撮影監督 : 田中宏侍

 

3D監督 : 遠藤誠音響監督:若林和弘

 

キャスティングマネージメント : 長谷川たか子、横潤

 

キャスティング協力 : マウスプロモーション

 

音響制作 : フォニシア

 

音楽 : 菅野よう子

 

音楽プロデューサー : 太田敏明

 

音楽ディレクター : 石川吉元

 

音楽制作 : ビクターエンタテインメント

 

プロデューサー : 松家雄一郎、国崎久徳

 

制作 : Production I.G

 

製作 : Production I.G、バンダイビジュアル、バンダイ エンタテインメント、電通、日本テレビ、徳間書店、ビクターエンタテインメント、マンガ エンタテインメント

 

主題歌

オープニングテーマ:「rise」
歌:ORIGA
作詞:Tim Jensen、ORIGA
作曲、編曲:菅野よう子

 

rise(日本語訳)

  I'm a soldier
  つまり私は
  被告人であり裁判官
  火の両端に私は立つ

 

  カーブを切り
  生と死を追い越し
  偽りの影との戦いに走る
  まやかしの糸をいくらめぐらそうと
  真実が光の輪郭を照らすだろう

 

  *痛みが遠く過ぎ去るまで
   涙は見せるな
   その足で立ち
   共にあれ
   我々は戦士
   立たぬものには死のみが待つ

 

  成すべきを成せ
  恐れは審判の日まで取っておけ
  私に続け
  その身を捧げる時は今

 

  I'm a soldier
  戦うために生まれた
  この燃え盛る
  理解をこえた地獄の目撃者

 

  嘘や裏切り
  虐げられた人々を決して忘れない
  真実であるための力を私の手に

 

  この炎に立ち向かう
  そうしない事は全てを失う事だから

 

  *repeat

 

  がけっぷちに立ちつつも夢を追う
  こうすることでしか世界は教えない

 

  泣くな
  隠せ、涙は
  新しい日が訪れる
  お前の灯りは
  幾千もの心を暖めるだろう
  立ち上がれ
  痛み、恐れは奥深く隠し込め
  正しいものが勝利を手にする
  すべてはおまえの手中にある

 

  *repeat

 

 

エンディングテーマ:「living inside the shell」
(最終回のみ地上版OPに同じ)
歌:Steve Conte
作詞:Shanti Snyder
作曲、編曲:菅野よう子

 

 

オープニングテーマ:「Christmas in the silent forest」
(地上放送用)
歌:Ilaria Grazziano
作詞:Shanti Snydar
作曲、編曲:菅野よう子
エンディングテーマ(地上放送用):「snyper」

 

 

歌:Ilaria Grazziano
作詞:Tim Jensen作曲、編曲:菅野よう子

 

各話サブタイトル

 クゼ(individual episodes) (白)

 

      ゴーダ(dual episodes) (黒)

 

           一話完結(dividual episodes) (灰)

 

  3つのマークは、それぞれのエピソードを意味しています

 

 

 

DVD
巻数

話数 ・ タイトル ・ ストーリー
1巻

1話 ・ 再起動 REEMBODY
 
「個別の11人」と名乗る武装グループが、大使館員を人質に取り中国大使館を占拠した。非公式に出動した公安9課は、無期限待機命令の解除を待つべく、現場周辺で待機し、荒巻課長の指示を待つ。茅葺総理は、犠牲者を出さず15分以内にテロリストを鎮圧することを条件に、荒巻に突入を許可する。果たして9課は人質を解放し、無期限待機命令を解くことは出来るのか・・・。

2話 ・ 飽食の僕 NIGHT CRUISE (TV未放映)
 

3大ネットワークJBNNの会長・片倉の専属パイロットであるギノ。欺瞞と不正に満ちた社会を憎んでいた。世直しの妄想を日々繰り返すうち、片倉を暗殺し憧れの高級娼婦ヒララを救い出したいと思うようになった。

2巻
3話 ・ 土曜の夜と日曜の朝 CASH EYE
 

元経団連会長の田所のもとに、「キャッシュ・アイ」という窃盗犯から予告状が届いた。9課は芽葺首相の命により、田所主催の秘密パーティを警備することになった。だが、窃盗犯の正体は草薙で、厳重なセキュリティを破るため田所に近づく。 9課の本当の狙いは・・・。

4話 ・ 天敵 NATURAL ENEMY 

合同演習中にパイロットが機上で死亡。AIヘリが暴走する。それに誘われるように、各基地から無人のヘリが飛び立ち、難民居住区上空に集結を始めた。そしてテロを感じ、阻止すべく出動した9課の前に、内閣情報庁のゴーダが現れる。情報不足だったがために、ゴーダの真意も図れぬまま、彼のプロデュースした作戦を遂行するべく草薙らはタチコマで出撃していく。

3巻
5話 ・ 動機ある者たち INDUCTANCE 

招慰難民居住区視察の茅葺首相に、「個別の11人」から暗殺予告が届いた。総理の意志により、9課は警護につく。しかし座禅中に暗殺は実行にうつされ、全身義体の男・クゼが茅葺に迫る。はたして草薙は暗殺を阻止し、クゼを捕らえることができるのか?。

6話 ・ 潜在熱源 EXCAVATION 

エネルギー省を脅迫していた男(コタン・カンジ)が、不自然な交通事故死を遂げた。トグサは彼の遺留品から、招慰難民居住区「東京」へ飛んだ。そしてコタンの婚約者である、アサギ・ルリコを偶然に助ける。コタンと連絡が取れない彼女も、コタンを探していたのだ。一緒に謎を追究していくうちに、新宿の地下最深部に原子力発電所を発見。その時陸自のアームスーツに見つかってしまう。

4巻
7話 ・ 狂想は亡国の調べ 239 94 PU 

新宿地下原発から回収された燃料棒が「個別の11人」に狙われた。9課は移送任務に就くが、それを指揮するためゴーダが現れた。偽装した車で難民居住区を抜ける途中、瓦礫で通り抜けづらい場所に来たとき、ゴーダはおびえる陸自兵士の恐怖心をあおり、発砲を誘発される。無事脱出して目的地に到着するが、燃料棒が狙われているという情報がブラフであり、輸送していたケースも空で、9課が囮として使われたことが判明。激怒するバトー、しかし草薙は意外に冷静だった。

8話 ・ 粗食の晩餐 FAKE FOOD 

「個別の11人」事件を追う中、南陽新聞社銃撃事件の容疑者としてカワシマが浮かぶ。身柄確保に奔走する9課だったが、「国際テロリストのウォン・チューレンがカワシマの顔を盗んで潜んでいる」という情報で動いていた公安1課に、逮捕寸前に射殺されてしまった。

5巻
9話 ・絶望という名の希望 AMBIVALENCE 

5件の犯行予告を出した「自爆テロ」。トグサの何気ない一言で、バトーは難民が関与していることに気づく。一方草薙はタチコマにサポートさせ、デカトンケイルに侵入し、そこでゴーダの仮想人格と対峙し、ゴーダの野望を知る。

10話 ・ イカレルオトコ TRIAL 

勤務が終わり帰宅途中のトグサは、全身義体の男に襲われる女を見かける。やむなく発砲し、無力化したと思われたが、油断をして女を射殺されてしまう。その後トグサは、弁護士ウエダにそそのかされて起こされた裁判にかけられてしまう。証言台に立つ彼に理不尽な追求が行われ、激怒するトグサ。その時、傍聴していた草薙が、トグサの電脳をハック。弁護士と義体メーカーの癒着を暴く、と暴露する。

6巻
11話 ・ 草迷宮 affection 

9課の新隊員採用テストのさなか、ふと踏み込んだ路地で弾んできたボールを取った草薙は、不思議な感覚にとらわれる。虚実定まらぬ街に迷い込み、客の外部記憶を預かるという「牢記物店」にたどり着く。そこで草薙は、かつて自分が使用していた少女型義体と、病院で隣のベッドにいて自分のために鶴を折っていた少年の義体にめぐり会う。

12話 ・ 名も無き者へ SELECON 

カワシマの外部記憶から、個別の11人ウイルスとゴーダを結びつける線を捜査するイシカワとボーマ。そのウイルスをボーマは、自分の電脳にダウンロードするが発症しなかった。発症因子と考えられる原書を探すトグサ。
そんなおり、荒巻から鹿児島の戦没者慰霊塔にクゼが現れたという情報が草薙たちに届く。 それを追うが時すでに遅く、次に現れた九州電波塔において、メディアの前で互いの首を切り落とし自決してしまった。しかしクゼのみ自決を免れ、逃亡を果たした。

7巻
13話 ・ 顔 MAKE UP 

9課鑑識により、クゼの顔は高名な造顔作家により作られたことが判明。バトーとトグサは造顔作家の元へ向かう。しかし、すでに何者かに殺害されていた。だが、監視カメラは殺害現場を捕らえていた。そして映し出されたのはパズであった。パズをマークする県警。思い当たることがあるパズは、「しごく個人的なことが原因」として、単独で事件解決に向け行動を開始する。

14話 ・ 左眼に気をつけろ POKER FACE 

米帝特使を迎え厳戒態勢が敷かれる中、警護の休憩中に隊員等はポーカーに興じていた。そこで、一人勝ち続けていたサイトーは、ポーカーの心理戦など自分が経験した、ある戦いに比べれば取るに足らないものだ。として、左眼を失ったときに遭遇した、戦慄の心理戦について語り始めた。それは、ポーカーフェイスで微動だにせず銃を構える全身義体の女兵士のはなしだった。

8巻
15話 ・ 機械たちの時間 PAT. 

スプリングエイトで、証拠物件の解析結果を聞く草薙とバトー。そこでAI研究所の爆発に出会う。その捜査上で、AI開発者でタチコマの生みの親である有須田博士の国外逃亡を察知する。「この人どこかで見たことがあるんですよね…」と、奇妙な感覚を感じるタチコマ。そのタチコマをつれて空港へ向かう。

16話 ・ そこにいること ANOTHER CHANCE 

半島へクゼの情報を集めに行った、イシカワが帰国。クゼの不可解な行動がわかってきた。2024年、内戦の続く半島へ国連平和維持軍として、クゼは派遣された。その中で、クゼの所属する義体化歩兵部隊が遭遇した戦い。その後の葛藤。そして、銃と交換して手に入れたカメラを持って、難民たちの中へ入っていったクゼ。そのクゼに、次第に心を開いていった難民たち。部隊の帰国の日にクゼは姿を消し、その後台湾に現れたことを知る。
そこで草薙は、今回の難民流入は、クゼが原因ではないかと推理した。

9巻
17話 ・ 修好母子 RED DATA 

クゼの捜査のため、草薙は台湾へ渡った。そこでやくざに襲われている少年・チャイと出会う。チャイは「ロウ」と呼ばれるクゼに憧れていた。クゼと同じ全身義体となるため、麻薬の密売をしており、やくざに狙われたのだ。行動を共にし始めた二人。不思議な感情を感じる草薙だった。帰国の日、チャイと別れた草薙は、麻薬を入れたロッカーのキーを発見し、チャイの自分への「甘え」を知る。チャイのために戻ってきた草薙に、チャイは再び助けられた。そしてチャイをさとす草薙であった。

18話 ・ 天使の詩 TRANS PARENT 

義体を変えて別人になる正体不明のテロリスト。サミット開催都市を狙い、ガラス張りの高層ビルを爆破し、ガラス片を降らす所から「天使の羽根」と呼ばれていた。彼はテロを起こす二日前に、ベルリンを発つことがわかっていた。各国の混成チームの大規模な包囲網が街を覆う中、バトーはある車いすの少女のことを知る。独自捜査で彼女の父が、「天使の羽根」である事実をつかんだ。そして、親子が会う礼拝堂で、バトーは「天使の羽根」と対峙した。

10巻
19話 ・ 相対の連鎖 CHAIN REACTION 

並列化した招慰難民達により、出島の自治区宣言が出された。クゼを捕らえるべく、出島に乗り込む9課。これに対し草薙はタチコマの支援の元、クゼのハブ電脳へとダイブする。しかし電脳内のゴーストにふれたとたん、謎のダメージを受け撤退する。だが、一瞬の視覚情報から潜伏場所を予想し、急襲した9課。そこで9課を待っていたものは・・・!?。

20話 ・ 北端の混迷 FABRICATE FOG 

断片的な情報からクゼの目的を、北端、択捉でのプルトニウム取得と想定し、9課は旧ロシアの原潜基地跡へと向かう。一方クゼは、クゼが個別の11人であったことを糾弾する難民の青年に、取引資金入手の秘密を明かし信頼を得、取引現場へと赴く。しかし、そこで陸自のアームスーツに急襲されてしまう。その戦闘に加わる9課。逃走を図るクゼをバトーは追跡する。そしてバトーに追いつめられてクゼは・・・。

11巻
21話 ・ 敗走 EMBARRASSMENT 

クゼとバトーの戦いは、右足を折られ左肩に鉄柱を刺されたバトーの完敗に終わった。アームスーツをタチコマに任せた草薙が、バトーに変わりクゼを追う。しかし、間に合わず取り逃がしてしまう。これは両者にある、わずかな動機の差だった。ティルトローターでクゼを追おうとした矢先、難民の青年がティルトローターに飛び込み自爆する。その中でイシカワも重傷を負ってしまった。9課の完敗である。出島へ上陸しようとするクゼと、海保巡視船の間で交戦が始まった。その時、対岸の長崎一帯で大停電が起こる。

22話 ・ 無人街 REVERSAL PROCESS 

「個別の11人」最期の場所である九州電波塔に、テロリストが仕掛けたと思われるプルトニウム爆弾が発見される。解体処理のためパズとボーマが派遣され、起爆薬が難民の物ではなく、米軍のM112で有ることが判明。「個別の11人」事件が、内閣情報庁の仕業である証拠としてのプルトニウムを奪取した9課。これと平行してバトーは、このビルの屋上にゴーダを呼び出し対峙していた。「個別の11人」事件の真相に迫るべく、静かな戦いが開始された。いったい二人は、なにを語ろうとしているのか。

12巻
23話 ・ 橋が落ちる日 MARTIAL LAW 

事態収拾を願う茅葺総理。しかし日米安保締結の前倒しを計る高倉官房長官により、出島への自衛軍派兵が決定されてしまう。それに対し荒巻は、総理に国連の核査察団派遣要請案を提案する。それに呼応し、草薙たちは奪取したプルトニウムの半分を持ち、出島潜入の作戦に出る。また治療中のイシカワは、タチコマの援護のもと残りのプルトニウムの出所を特定するべく分析のため、スプリンクエイトへと向かう。9課の懸命な行動の中、水が低きに流れるように、人の心もまた易きに流れる。クゼに接続できない不安から、一発の銃声がとどろき、事態は混迷の度を深めていく。

24話 ・ 出島、空爆 NUCLEAR POWER 

橋の爆破により孤立した出島の難民と、自衛軍の戦闘が激化。政府は難民による核自爆をおそれ、ジガバチAVで制空権を確保する。そして高倉は、緊急時に茅葺が独断で国連核査察団の派遣を要請したことが、国家反逆罪に当たる。そして荒巻らを、その教唆として軟禁してしまう。一方草薙らは、出島潜入を決行する。しかし、ジガバチAVにより草薙と、バトーたちは離ればなれになってしまう。一方クゼは人々をハブ電脳に繋ぎ止めるべく、ジャミングをかけていた海自哨戒機に攻撃を仕掛ける。同じ頃、情報を収集していたタチコマたちは、出島を包囲する艦船が放射能除去MMを散布すること。そして、米帝の原潜が出現したことを知る。

13巻
25話 ・ 楽園の向こうへ THIS SIDE OF JUSTICE 

海自哨戒機の撃墜により通信が回復するが、出島への攻撃が激化する。出島に潜入した9課のうち、クゼを追った草薙はクゼと共に、ミサイル攻撃などにより瓦礫の中に、閉じこめられてしまった。一方バトーらは追ってきたレンジャー4課に取り囲まれるが、バトーは迷彩を解いて4課隊員にその姿を見せ、事態の説明をするのだった。また、軟禁されていた茅葺総理と荒巻らは合流。米帝原潜の核攻撃を察知し、プロトを通じて核攻撃阻止に尽力する。
草薙はクゼの考えに同調し、難民を核攻撃から救うためネット内の可処分領域に、300万人分の空間確保をタチコマに命じる。バトーはプルトニウムをサイトーらに預け、草薙救出に向け出島を疾走する。そんな中、出島沖に原潜が浮上、核ミサイル発射のカウントダウンが始まった。

26話 ・ 憂国への帰還 ENDLESS∞GIG

草薙の命令でネット内に可処分領域を確保していたタチコマたちは、記憶をネット内に待避させても、ゴーストがなければ「個を保つ」ことはできないのでは、と気づく。そしてこの方法では大好きなバトーらも救うことができないとして、タチコマたちはあえて命令に背くことにした。そして、衛星の軌道を狂わせ大気圏内に弾幕を張り、核ミサイルを撃破することにした。
バトーにより草薙は救出され、クゼも捕らえられた。その時タチコマたちの歌が聞こえてきた。イシカワの援護をしていた1機も合流し、自分たちのAIが乗っている最後の衛星を墜落させ、核ミサイルに衝突させた。核弾頭と共に、彼らのAIは、出島上空で光の中に消えていった。彼らの歌と共に・・・。
茅葺は自衛軍に命じ、空自戦闘機による米帝原潜へ、日本の姿勢を知らしめた。日本は国連協調・自主独立路線の道を歩むこととなる。
高倉は荒巻らの手で逮捕され、ゴーダは草薙により射殺された。しかしクゼはCIAの手により、暗殺されてしまう。「先に行くぞ」という言葉を残して・・・。
これで「個別の11人」事件は解決するが、難民問題は残ったままとなる。そして草薙の心の中も・・・。

 

その他

 最終話のラストは、満開の桜を24時間監視(花見)で終わる。
 コミック版の冒頭は、この24時間監視中に事件発生の呼び出しがかかるというもので、いわばコミック版の冒頭に繋がるかのような終わり方をしている。冒頭とラストという違いはあるが、場面は同じ桜の24時間監視である。ただ一つ違うのは、少佐の心情である。
 このTV版は、映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」に登場する人形使いに、「出会わなかったら・・・」というパラレルワールド扱いで制作された。そのため、2nd GIGは2033年春(桜の季節)がラストだが、2029年の人形使いに会う以前に繋がるかのようである。
 そして、草薙の心理描写もまた、映画(「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」)に繋がるようである。